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ExcelのAI自動化完全ガイド|ChatGPT・Copilotで関数・マクロを作る方法

更新日:2026.07.04

Excel AI 自動化で何ができる?ChatGPT・Copilotの使い分け、関数・マクロ生成のAIへの指示例、データ整理・分析の自動化テクニック、失敗しないための注意点までを、実務でつまずきやすいポイントを交えて分かりやすく解説します。

ExcelのAI自動化完全ガイド|ChatGPT・Copilotで関数・マクロを作る方法

「Excelでの集計や転記、同じような表づくりに毎回時間を取られている」——多くの現場でこうした声を聞きます。関数やマクロを使いこなせば効率化できると分かっていても、書き方を調べる手間がかかり、扱える担当者も限られるため、結局は手作業のまま……というケースは少なくありません。

近年は生成AIの登場により、こうしたExcel作業を自動化するハードルが大きく下がりました。この記事では、Excel AI 自動化で具体的に何ができるのか、ChatGPTとCopilotをどう使い分けるのか、関数・マクロ生成やデータ整理の実務テクニックから、無理なく始めるための手順と注意点までを、専門知識がなくても分かるように整理します。ExcelをAIで効率化したいと考える方が、自社の作業を見直すための地図として活用してください。

ExcelのAI自動化とは?何ができるのか

Excel AI 自動化とは、生成AIをはじめとするAIを使って、これまで手作業や専門知識に頼っていたExcel上の作業を、より短時間で・誰でも進められる状態にしていくことを指します。ポイントは、AIが「表計算そのもの」を置き換えるのではなく、関数やマクロの作成、データの整理、集計方針の検討といった「人が頭と手を使っていた部分」を肩代わりしてくれる点にあります。

とりわけ生成AIは、「やりたいことを言葉で伝えると、それを実現する数式やコードに翻訳してくれる」ことが得意です。これまでは関数やVBAの文法を覚え、エラーと格闘しながら組み立てる必要がありましたが、いまは日本語で意図を伝えるだけで下書きが得られます。ExcelのAI自動化が注目される理由は、まさにこの「専門知識の壁」を下げてくれる点にあります。

代表的にできることを整理すると、次のとおりです。

Excelの作業AI自動化でできること主な効果
関数・数式づくりやりたい処理を言葉で伝えて数式を作成・修正する調べる手間の削減
マクロ・VBA作成繰り返し作業を自動化するコードを生成する定型作業の自動実行
データ整形・クレンジング表記ゆれの統一や不要データの整理を補助する前処理の時短
集計・分析集計方針やピボットテーブルの作り方を提案する分析への着手が容易に
文章・分類の生成セル内の要約・分類・文面の下書きを作る手入力の削減

このように、Excel AI 自動化は「単純作業を減らす」だけでなく、これまで一部の詳しい人しかできなかった作業を、チーム全体で扱えるようにする効果も期待できます。

ExcelでAIが使える場面|ChatGPTとCopilotの使い分け

ExcelでAIを活用する入口は、大きく「ChatGPTなど外部の生成AIに相談する」方法と、「Copilot in ExcelのようにExcelに組み込まれたAI機能を使う」方法の2系統に分かれます。得意分野と前提条件が異なるため、最初に違いを押さえておきましょう。

観点ChatGPTなど外部の生成AICopilot in Excel
使う場所ブラウザやアプリ(Excelの外)Excelの画面内
データの渡し方必要な部分だけコピーして渡す(渡さない使い方も可)開いているテーブルを直接参照する
得意なこと数式・VBA・Officeスクリプトの生成と解説表の傾向分析、集計列や条件付き書式の追加提案
利用条件無料プランからでも試せるMicrosoft 365の対象プランとライセンスが必要
注意点貼り付けるデータの機密管理を自分で行うデータがテーブル形式でないと機能が大きく制限される

使い分けの目安はシンプルで、「数式やマクロを作ってほしい」ならChatGPTなどの外部AI、「目の前の表をその場で分析・加工したい」ならCopilotが向いています。

実務でつまずきやすいのがCopilotの前提条件です。Copilot in Excelは、対象範囲をテーブル(Ctrl+Tで変換)にしていないと分析機能の多くが働きません。「導入したのに思ったより反応しない」という悩みは、ライセンスではなくデータがテーブル化されていないことが原因の場合が目立ちます。一方のChatGPTは、データ本体を渡さず「列構成とダミーの例だけ伝えて数式をもらう」使い方ができるため、機密性の高いデータを扱う部門ではこちらが第一候補になります。

ExcelをAIで自動化する主な方法

一口にExcelをAIで自動化するといっても、進め方には手軽なものから本格的なものまで段階があります。自社の環境や目的に合わせて選ぶことが大切です。

アプローチ概要向いているケース
汎用AIツールで数式・コードを作るChatGPTなどに指示して関数やVBAを作らせるまず手軽に試したい
Excel搭載のAI機能を使うCopilotなど表計算ソフト側のAI機能を活用する対応環境が整っている
スクリプト・API連携で仕組み化Officeスクリプトや外部サービス連携で処理を自動化する定型業務を継続的に回したい
受託開発でシステム化自社データと連携した専用の仕組みを構築する全社展開・大量処理が必要

多くの企業は、まず汎用AIツールに数式やマクロを作らせるところから始め、効果が見えた作業を「スクリプトでの仕組み化」や「専用システム化」へと段階的に発展させていきます。最初から大規模な開発を目指す必要はありません。

まずは汎用AIツールで数式・マクロを作らせる

もっとも手軽なのは、ChatGPTなどの生成AIに「こういう表で、こういう集計をしたい」と伝え、関数やVBAコードを作ってもらう方法です。たとえば「A列の日付から月ごとに売上を合計したい」と伝えれば、SUMIFSやピボットの手順を提案してくれます。エラーが出た場合も、メッセージをそのまま貼り付けて相談すれば修正案が得られます。

費用の面でも、汎用AIツールは無料プランや月額数千円程度から試せるものが多く、まず効果を確かめるうえでのハードルは低めです。一方、自社データと連携した本格的なシステム化になると、費用はあくまで目安であり要件次第で大きく変わるため、目的と規模に応じて段階的に判断するのが現実的です。

継続的に回すなら仕組み化・システム化を検討する

毎日・毎週など繰り返し発生する定型作業は、その都度AIに指示するより、処理そのものを仕組みとして固定したほうが安定します。Officeスクリプトや外部サービスとの連携で自動化したり、扱うデータ量や関係者が増える段階では、要件定義から運用まで一気通貫で対応できる受託開発を活用したりする選択肢も出てきます。

関数・マクロ生成の実務テクニック|AIへの指示例

AIに関数やマクロを作らせるときの成否は、指示(プロンプト)の書き方でほぼ決まります。押さえるべきは「列構成」「データの例」「欲しい結果」「Excelのバージョン」の4点です。具体的な指示例を挙げます。

やりたいことAIへの指示例
条件付き集計「A列に日付、B列に部門名、C列に売上金額があります。部門ごとに2026年6月分だけ合計する数式を作ってください。Excel 2019です」
検索・照合「商品コードをキーに、別シート『マスタ』から商品名を引きたい。VLOOKUPとXLOOKUPのどちらが適切か理由つきで教え、数式を作ってください」
マクロ作成「シート『入力』のA2:F200のうちF列が空欄の行を削除し、残りを新規シートにコピーするVBAを、処理ごとにコメント付きで書いてください」
エラー修正「この数式で#VALUE!エラーが出ます。原因と修正版を教えてください:(数式とエラーを全文貼る)」

実務で特に効くのがバージョンの明示です。XLOOKUPやFILTERといった新しい関数はExcel 2021やMicrosoft 365以降でしか動きませんが、AIは断りなくこれらを提案してきます。バージョンを伝えないまま数式を受け取り、「手元で動かない」と往復を繰り返すのは、現場で最もよくある時間のロスです。

マクロ生成では、必ず「処理ごとにコメント付きで」と指定しましょう。中身を検証できるうえ、後任者への引き継ぎ資料にもなります。また、マクロの実行結果はCtrl+Zで元に戻せないことが多いため、ファイルを複製し、対象範囲を数十行に絞って動作確認してから全体に適用する、という順番を徹底してください。一発で完成させようとせず、エラーメッセージ全文と「期待した結果・実際の結果」を貼ってAIと往復するのが、結局いちばんの近道です。

データ整理・分析を自動化する実務テクニック

AIでデータ整理と分析を進めるコツ

表記ゆれの整形

会社名や氏名の統一はAIに置換手順や数式を作らせて実行

分析設計の相談

ピボットの行・列・値に何を置くか設計から相談できる

レイアウト整備

結合セルや複数表をやめ1行1レコードに整えると精度が上がる

集計の前工程であるデータ整理(クレンジング)も、AIの得意分野です。「(株)と株式会社の表記ゆれを統一したい」「氏名を姓と名に分けたい」「バラバラな日付形式をそろえたい」といった作業は、少量ならデータを貼って直接整形させ、大量なら「置換手順や数式を作らせて自分のExcel上で実行する」やり方が現実的です。生成AIに大量データを直接整形させると、一部の行が黙って欠落・変質することがあるため、処理前後でCOUNTAなどにより件数が一致しているか必ず確認しましょう。

分析では、「この列構成で、部門別の傾向を見たい。ピボットテーブルの行・列・値に何を置くべきか」と設計から相談できます。Copilotなら開いている表に対して「カテゴリー別の売上傾向を教えて」と自然文で聞くだけで、集計やグラフの候補が返ってきます。

見落とされがちな落とし穴が、表のレイアウトです。結合セル、2段組みの見出し、1シートに複数の表が並ぶ「人間が見やすいレイアウト」は、AIにとっても解釈しづらく、精度を大きく下げます。まず「1行目に見出し、1行1レコード」の形に整えることが先で、この整形手順自体もAIに聞けます。

従来のマクロ・VBA自動化との使い分け

生成AIが登場したからといって、従来のマクロ・VBAによる自動化が不要になるわけではありません。両者は置き換えではなく補完の関係にあります。

観点従来のマクロ・VBA生成AIの活用
導入の壁VBAの文法学習が必要日本語で指示できる
再現性同じ入力なら常に同じ結果出力が毎回変わりうる
向く作業毎回同一手順の定型処理数式・コードの作成補助、判断を伴う整理
保守・引き継ぎ書いた人に依存しがちコードの解説をAIに書かせて補える

毎回まったく同じ手順で確実に動く必要のある処理は、AIに書かせたVBAやOfficeスクリプトを「固定した仕組み」として運用するのが正解です。逆に、文章の要約や分類のように毎回内容が変わる作業は、実行のたびにAIを使う形が向いています。もうひとつ実務で価値が高いのが既存マクロの解読で、前任者が残したブラックボックス化したVBAを貼り付けて「このコードが何をしているか説明して」と聞けば、改修や引き継ぎの負担を大きく減らせます。

Excel AI自動化を始める4つのステップ

ExcelのAI自動化は、いきなり全作業の自動化を狙うより、小さく始めて段階的に広げる進め方が向いています。基本の流れを整理します。

ステップ主な内容ポイント
1. 対象作業を選ぶ時間のかかる定型的なExcel作業を洗い出す繰り返しが多い作業から選ぶ
2. AIに作らせて試す数式やマクロをAIに作成させ小さく検証する結果を必ず人が確認する
3. 手順を標準化するうまくいった指示や仕組みをテンプレ化する属人化を防ぐ
4. 横展開・改善する他の作業や部門へ広げる定期的に精度を見直す

出発点は、「どのExcel作業の、どんな手間を減らしたいのか」を具体的な言葉にすることです。「毎月の請求データを部門別に集計するのに半日かかっている」といったレベルまで落とし込めると、AIへの指示も、効果の測定もしやすくなります。最初の1テーマには、失敗してもやり直しがきき、正解を人が判定できる作業(集計や整形)を選ぶのがコツです。次に小さく試し、うまくいったやり方(AIへの伝え方やマクロ)を標準化して、他の作業へ広げていきます。

Excel AI自動化で失敗しないための注意点

つまずかないための確認ポイント
  • 出力を必ず検証数式やマクロは少量データで結果を確かめてから本番に使う
  • 機密情報の扱い決定機微なデータを外部AIに入力してよいか事前にルール化する
  • ハルシネーション注意もっともらしい誤りを出すことがあるため鵜呑みにしない
  • 実行前にバックアップ元に戻せない処理に備えファイルを複製してから試す
  • 小さく始める一度に全自動化せず効果の見える作業から広げる

手軽に始められる一方で、Excel AI 自動化には気をつけたい点もあります。とくに次の5つは、最初に押さえておくと安心です。

  • 出力を必ず検証する:AIが作った数式やマクロは、少量のデータで結果を確かめてから本番に使う
  • 機密情報の扱いを決める:顧客情報など機微なデータを外部AIに入力してよいか、事前にルール化する
  • ハルシネーションに注意する:もっともらしく誤った関数や値を出すことがあるため、鵜呑みにしない
  • 実行前にバックアップを取る:マクロには元に戻せない処理もあるため、ファイルを複製してから試す
  • 小さく始める:一度に全自動化を目指さず、効果の見える作業から少しずつ広げる

とくに見落とされがちなのが、出力の検証と機密情報の扱いです。AIは自然な文章で回答するため一見正しく見えますが、数式の条件がずれていたり、想定と違うセルを参照していたりすることがあります。重要な集計ほど、人による確認を前提に組み立てましょう。

機密情報については、顧客の個人データを外部AIに入力する場合、個人情報保護法への配慮や自社の情報管理規程との整合確認が欠かせません。無料プランでは入力内容がAIの学習に使われる設定になっている場合があるため、学習利用のオプトアウト設定や法人向けプランの利用を検討し、「何を入力してよいか」を先に決めてから展開するのが安全です。

よくある質問

ExcelのAI自動化は無料で始められますか?

ChatGPTなどの無料プランでも、数式やマクロの生成は十分試せます。ただし無料プランは入力内容がAIの学習に利用される設定の場合があるため、業務データを扱うなら設定の確認や法人向けプランの検討が必要です。Copilot in ExcelはMicrosoft 365の対象プラン契約が前提で、費用は目安であり要件・人数により変わります。

ChatGPTとCopilot in Excelはどちらを使うべきですか?

数式・マクロの生成が中心ならChatGPTなど外部AIで十分こと足ります。開いている表をその場で分析・加工したいならCopilotが便利です。役割が異なるため、環境が許すなら「作らせるのはChatGPT、表の中で使うのはCopilot」と併用するのが現実的です。

AIが作った数式やマクロが動かないときはどうすればよいですか?

エラーメッセージの全文と、「期待した結果」「実際の結果」をそのまま貼り付けて修正を依頼するのが基本です。あわせてExcelのバージョンを伝えると、手元で使えない関数を提案される事態を防げます。それでも解決しない場合は、処理を小さな単位に分けて、どこまで動くかを切り分けましょう。

会社の顧客データをChatGPTに貼り付けても大丈夫ですか?

そのまま貼り付けるのは避けるべきです。個人情報保護法や社内の情報管理規程との整合を確認したうえで、氏名などを伏せた匿名化データや「列構成とダミー例だけを渡す」運用にすれば、多くの作業はデータ本体を渡さずに進められます。組織的に使うなら、入力データを学習に使わない法人向けプランの利用が安心です。

VBAが分からなくてもマクロで自動化できますか?

AIにコメント付きでコードを書かせ、動作を説明させれば、VBAを書けない人でもマクロによる自動化は可能です。ただし中身を誰も理解しないまま本番運用するのは危険なので、少量データでの検証とバックアップを必ずセットにし、うまくいった手順は手順書として残しておきましょう。

まとめ

ExcelのAI自動化を進める第一歩は、高度な技術を導入することではなく、「時間のかかる定型作業を見つけ、やりたいことを言葉にしてAIに作らせてみること」です。ChatGPTとCopilotの特性を踏まえて使い分け、関数・マクロ生成では列構成・データ例・バージョンを明示し、出力は必ず人が検証する——この基本を守れば、専門知識がなくても着実に効率化を積み上げられます。

まずは身近な繰り返し作業を一つ選び、AIに数式やマクロを作らせるところから試してみてください。そのうえで、繰り返し発生する業務を継続的に自動化したい、自社データと連携した専用の仕組みまで踏み込みたいという段階になれば、要件定義から運用・改善まで一気通貫で伴走できる相手と組むことで、Excel AI 自動化を無理なく前進させられます。

監修者

山下 雅弘

株式会社APILLOX 代表取締役

山下 雅弘

大阪大学大学院在学中にエンジニアとしてキャリアをスタート。大学院修了後、AIを用いた自動テストツールを開発する企業にエンジニアとして入社し、実装の現場に携わる。その後フリーランスを経て株式会社APILLOXを創業。現在は生成AIの受託開発・新規事業の伴走・業務効率化・法人研修まで、AI活用をワンストップで支援している。自らも手を動かすエンジニアとして、RAGやAIエージェントをはじめとする数多くの生成AI開発・導入の現場に立ち会ってきた。「提案で終わらせず、成果が出るまで実装・運用する」ことを信条とし、本メディアではその実務経験にもとづき生成AI活用の実践的な情報を監修している。

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